ゴードン・マッタ=クラーク(展)を巡って──介入と転位と生成/の/都市空間 東京国立近代美術館では、現在、日本初のゴードン・マッタ=クラーク展が行われている。ニューヨークを中心にして流星のように70年代を駆け抜けたこの作家の仕事が再び脚光を浴び出したのは、この20年ほどのことである。一方に、美術という領域から内発的に生じてきた美術館外の空間(環境)を志向する動きがあり、他方に、ソーホーを中心にしたニューヨークの都市(住居)空間の急激な──美術家や音楽家たちを強力な媒介項(=マルティテュード)とする──変容が進行する中で、マッタ=クラークは、その美学的想像力と政治的想像力が交わる「場」を次々と裂開し、再編し、生成した。その活動の多孔的な──欠落の穴でもあり接続の通路でもある──軌跡を、現在地としての東京の(美術館の)中心に刻むことの意味はなんだろうか。去勢性あるいは喜劇性の影に脅かされるこの反復に、にもかかわらず潜在しているラディカルな挑発を私たちはどのようにすくい取ることができるだろうか。展覧会を企画した三輪健仁(東京国立近代美術館)、共同企画者である平野千枝子(山梨大学)、さらに、長年マッタ=クラークの仕事に関心を抱き続けてきた鈴木了二(建築家)を特別ゲストとして迎え、二部構成で討議する。(林) 第一部:三輪健仁+平野千枝子+松浦寿夫+林道郎 第二部:鈴木了二+松浦寿夫+林道郎 日時:2018年8月10日(金) 19:00〜22:00 場所:アートトレイスギャラリー 定員:50名 参加費:1500円 参加をご希望の方は info@arttrace.org まで、お名前と「8月10日討議申し込み」の旨をご連絡ください。 |