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レクチャーシリーズ(全5回)

生還する山田正亮


 左 Work C.73 180×68cm 1960  右 Work C.77 180×68cm 1960  東京国立近代美術館蔵



50年以上も描き続け、2,200点のタブロー、2,700点の紙作品を残した山田正亮(1929-2010)。画家の逝去後5年を経た今、そのある種超然とした姿勢が周囲との軋轢を呼び込みがちだった生前の状況は去り、生と作品の総体を、ある程度の距離をとって冷静に鳥瞰することが可能になった。それにしても、この画家の描く営為のあまりの執拗さは度を越していた。絵画固有の論理の探求といった明晰な装いの背後には、より原初的な、描くこと、描き続けることへの欲望が潜んでいる。絵画探索の知的な試みである以上に、粘着的に繁茂する一個の具体的な生の軌跡として、それ自体異様な存在感を醸す不透明な全体として彼の作品は残存している。わたしたちはこの不可解で魅惑的な堆積物の息遣いをどこまで感じ取ることができるのか・・・。2016年12月から東京国立近代美術館で開催される山田正亮展に先立つこのレクチャーシリーズは、膨大な彼の作品群を様々な角度から見据えつつ、その複雑性、多層性、その豊饒さを共有し得る場を目指すものである。
(多様な講師を迎え、連続5回開催予定)



パネリスト



中林和雄(なかばやしかずお)

1961年生まれ。現在東京国立近代美術館に勤務。主な企画に「絵画、唯一なるもの」(1995)、「顔 絵画を突き動かすもの」(2000)、「カンディンスキー展」(2002)、「連続と侵犯」(2002)、「アンリ・ミショー展」(2007)、「ゴーギャン展」(2009)ほか。上記展のカタログテキストのほか「マティス試論(II)絵画と装飾性」『東京国立近代美術館研究紀要』第14号(2010)
(http://www.momat.go.jp/ge/wp-content/uploads/sites/2/2015/01/14_pp26_44.pdf)
などを執筆。



松浦 寿夫(まつうらひさお)

1954年、東京生まれ。画家、批評家。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。現在、東京外国語大学教授。西欧近代絵画の歴史/理論を研究すると同時に、絵画制作活動を続け、なびす画廊などで個展多数。編著として『シュポール/シュルファス』(水声社 1984年)、共同編著として、『モダニズムのハード・コア:現代美術批評の地平』(太田出版 1995年)、共著として、『モデルニテ3×3』(思潮社 1998年)、共訳として、ティエリー・ド・デューヴ著『芸術の名において〜デュシャン以後のカント/デュシャンによるカント〜』(青土社 2001年)などがある。



第1回「What is 山田正亮?」


5,000点近い膨大な作品、そのすべてをナンバリングし、あたかも絵画そのものに内在するロジックが展開するかのように描き続けた山田正亮。 戦後美術の状況の中での孤立と内部への沈潜、堰を切るかのようなストライプの奔流、時折垣間見える戦争の記憶、知性と過剰性が交錯する制作ノート。第一回は複雑怪奇な山田ワールドへのご案内。


日時:2015年12月18日(金) 19:15〜
場所:アートトレイスギャラリー
定員:50名
参加費:500円


*レクチャーシリーズ第一回参加に際して、以下のテキストをご一読いただければ幸いです
 中林和雄「山田正亮 life and work」『東京国立近代美術館研究紀要』第17号(リンク先PDF 2.2MB)
 http://www.momat.go.jp/ge/wp-content/uploads/sites/2/2015/01/17_pp.8-33.pdf


参加をご希望の方は info@arttrace.org まで、お名前とご連絡先(お電話番号)、「12月18日山田正亮レクチャー申し込み」の旨をご連絡ください。
お問い合わせ、ご質問につきましても info@arttrace.org にて承ります。
※定員を超過した場合は締切とさせていただく事もございます。
※当日開始時間にご来場いただけなかった場合、ご予約をされていても立見となる可能性がございます。申し訳ございませんが何卒ご了承ください。






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