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松浦寿夫 連続講義(全10回)

第1回、第2回、「ヌーヴォ・レアリスムの経済学」


 1960年4月の宣言とともに形成されたヌーヴォ・レアリスムと自称する美術家たちの運動それ自体は、イヴ・クラインからセザールにいたる集団性において様式的な統一性をそなえているわけではないし、また、この運動の批評的同伴者としてのピエール・レスタニの議論には理論的精密さも明確な展望もことごとく欠如しているがゆえに、いまなおとらえどころのない現象のままにとどまっているかのようだ。実際、この運動の前景を構成したいくつかのテクストは、理論的な探求というよりは、ときに誇大妄想的な欲望の投影と社会のスペクタクル化との奇妙な混合物として、最悪の前衛主義的な所作の様相すら呈しかねない。とはいえ、ヌーヴォ・レアリスムという名のもとに包摂される芸術家たちの具体的な制作の場面で露出したいくつかの徴候は、今日なお再検討すべき問題提起を提示しているといえるだろう。そこで、第一回のセッション(11月24日、12月1日)では、造型的な水準でのいくつかの徴候を取り上げ、アンフォルメルという先行した一群の絵画に対する批判作業の様態を分析し、そのより明晰な形式化の試みとしてのシュポール/シュルファスの実践に接続する回路を検討してみたい。そして、第二回のセッションでは、デ・コラージュ・シティーと題して、都市分析の問題系列との接続の様態を考えてみたいと思う。



講師プロフィール


松浦 寿夫(まつうらひさお)

1954年、東京生まれ。画家、批評家。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。現在、東京外国語大学教授。西欧近代絵画の歴史/理論を研究すると同時に、絵画制作活動を続け、なびす画廊などで個展多数。編著として『シュポール/シュルファス』(水声社 1984年)、共同編著として、『モダニズムのハード・コア:現代美術批評の地平』(太田出版 1995年)、共著として、『モデルニテ3×3』(思潮社 1998年)、共訳として、ティエリー・ド・デューヴ著『芸術の名において〜デュシャン以後のカント/デュシャンによるカント〜』(青土社 2001年)などがある。

日時:
  • 第1回 2011年11月24日(木) 19:00〜
  • 第2回 2011年12月 1日(木) 19:00〜


    ※連続講義は今回の2回を含めて全10回を予定しています。
    講義は2回を1セッションとし、今回を含めて5つのテーマを検討します。
    およそ3ヶ月ごとに各セッションそれぞれ2回の連続講義を開催する予定です。
    (3回目以降の日程、テーマなどについては決定し次第あらためてご報告いたします)

場所:アートトレイスギャラリー
定員:40名(定員になり次第募集を締め切らせていただきます)
参加費:各回1500円


参加をご希望の方は  info@arttrace.org まで、下記をご連絡ください。

・お名前
・ご連絡先
・参加希望日程 (第1回のみ / 第2回のみ / 第1回と第2回両方)


※1回、2回は連続の講義となるため、通してのご参加をお勧めします。



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