ART TRACE 座談会
もうひとつの建築―立原道造再考 Art Trace Press 3号が特集としてブラック・マウンテン・カレッジを取り上げた際に、日本における芸術家コロニーの緒様相の検討を予告したが、今回、その最初の試みとして、卒業制作「浅間山麓に位する芸術家コロニイ」と、卒業論文『方法論』を提出した立原道造の試みを再考してみようと思う。そして、『寝そべる建築』(みすず書房、2014年)で、従来の立原道造に関する批評的地平を決定的に打破し、まったく異なる視点を提出しえた建築家の鈴木了二氏をお招きし、〈寝そべる建築〉という概念に集約されるもうひとつ別の建築の可能性を再検討してみたい。崩壊可能性の時間的次元で構想される建築=建築経験という理念のもとで、立原道造の建築はきわめて特殊な時間形式の産出とともに可能となり、それがむしろ反=建築的な思考の顕在化以外の何ものでもないことを露呈させる。そして、言語形式における同型性の探究こそが立原道造の詩的な営為であったとすれば、当然のことながら、彼の反=建築的な思考は、その作詩作業を抒情詩という枠組みとは別の場所に誘導する読解の可能性を開くことになるだろう。(松浦寿夫) パネリスト 鈴木了二(建築家)林道郎(批評家) 松浦寿夫(画家 批評家) 日時:2016年3月30日(水) 19:15〜 場所:アートトレイスギャラリー 【Access】 定員:50名 参加費:700円 参加をご希望の方は info@arttrace.org まで、お名前とご連絡先(お電話番号)、「3月30日座談会申し込み」の旨をご連絡ください。 |