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一人組立×ART TRACE 共同企画
連続対談シリーズ「私的占領、絵画の論理」
第二回「終わらない描きについて」 ─ 有原友一 ─

伝染病は太古からあり、未来にもあるでしょう。ことさら「今」の出来事を宣伝化し事業化しようとする一部の言説ビジネスとは無関係に、事態の本質は(病の)持続の反復にあることは自明です。持続が、しかし反復する──つまり目に見えない世界が常にありながら、時に潜在化し顕在化する、そのうねりやリズムがどのように命をもち命を奪い命を再生するか。
「私的占領、絵画の論理」は、絵を描く営みの基底性=歴史的「古さ」に基づく、画家相互による絵画をめぐっての連続対談です。従って私たちの姿勢が、COVID-19と呼称されるウイルスの引き起こした社会現象の中でいささかも変わりないことは、昨年末の第一回目から予告的に設定されていたとも言えます。とはいえ私は、一時的な中断を伴った作品についての会話が、有原友一氏の個展会場で作家自身を迎えて再開できる喜びを、参加者の方々と共有したいと思います。

有原友一氏は絵画の反復、描きの持続の反復を深く自覚し、その中で筆触の明滅を途絶えることなく捕獲し続けてきました。ウイルスの運動や、それを迎え入れまた排除し爆発する細胞群の発光が、我々の可視領域の外で常に行われていることへの想像力を励起するようにも見える氏の制作のコアに近づけるか、私は挑んでみたいと思います。

永瀬恭一





パネリスト

有原友一、永瀬恭一
日時:2020年6月26日(金) 19:30〜22:00
場所:アートトレイスギャラリー 【Access】
定員:20名
参加費:700円

参加をご希望の方は info@arttrace.orgまで、お名前と「6月26日イベント申し込み」の旨をご連絡ください。
お問い合わせ、ご質問につきましても info@arttrace.org にて承ります。
※定員を超過した場合は締切とさせていただく事もございます。
※当日開始時間にご来場いただけなかった場合、ご予約をされていても立見となる可能性がございます。申し訳ございませんが何卒ご了承ください。
※お申し込みいただいた方には、今後ART TRACEより展示、イベント等の情報を配信いたします。 (今回の参加のみご希望の方は、お申し込み時「情報配信不要」の旨をメールにご記載願います)


※新型コロナウィルス感染予防のため、定員を減らし、席の間隔を空ける等対策をして開催いたします。
※今後の状況次第では中止となる可能性があります。
ご来場の際にはこちらのサイトやART TRACEのSNSにて、直近の情報のご確認をお願いいたします。
※ご参加いただく方は、感染予防にご協力をお願いいたします。
・ギャラリー内では他の来場者やスタッフとの距離を開けてください。
・発熱、風邪等の症状がある方はご来場をお控えください。
・ご来場の際はマスクの着用をお願いいたします。
その他、会場に注意事項の掲示がある場合には、そちらに従っていただきますようお願いいたします。
ご理解のほど何卒よろしくお願いいたします。



パネリストプロフィール

有原友一(ありはら ゆういち)



1976年 東京生まれ
個展
2016年、2014年、2011年、2008年、2006年、2005年 ART TRACE GALLERY
グループ展
2019年 「方法と進行」展 (ART TRACE GALLERY/両国)
2019年 「絵画に向かって」 (アズマテイプロジェクト/横浜)
2012年 第四回「組立」 (HIGURE 17-15cas/谷中)
2007年 “ART TRACE @ youkobo” (遊工房アートスペース/杉並)他

永瀬 恭一(ながせ きょういち)

1969年生まれ。画家。東京造形大学卒。2008年から「組立」開始。 主な個展「少し暗い、木々の下」(2019年、殻々工房)、主なグループ展「エピクロスの空地」(2017年、東京都美術館セレクショングループ展)他。主な共著『成田克彦―「もの派」の残り火と絵画への希求』(2017年、東京造形大学現代造形創造センター)、『20世紀末・日本の美術―それぞれの作家の視点から』(2015年、ARTDIVER)等。