*
一人組立×ART TRACE 共同企画
連続対談シリーズ「私的占領、絵画の論理」
第三回「予感を描くことは可能か」 ─ 辻可愛 ─

美術の領域で絶えず存在した、権力関係に基づく暴力や不公正が、部分的にとはいえ表面化しつつあります。攻撃性を「批評性」と誤認させるビジネスの消費期限は切れています。同時に、その構造から利益を得ていた者たちが立場を守るため、表では問題から自己を切断し、 裏では過去の隠ぺい(自分の意識からすら)に耽っている可能性があります。被害者の意思を尊重することと併せて、そのような「アーティスト・サバイバル」を貫徹しようとするハラスメント的人物への警戒が必要です。
「私的占領、絵画の論理」にお招きするゲストは、現状で男性5名に対し女性2名です。 これを「作品の内実によって選択した結果である」と説明することは、果たしてどこまで公正でしょうか。「一人組立」としての私もまた、自分の内なる差別構造への問いかけを終えるわけにはいきません。

辻可愛氏の絵画に湛えられる、奇妙な時空間の在り方を「予感」と言うとして、 しかし「予感」を描くことは何故可能なのでしょう。原理的困難をさりげなく実現する辻氏の技術は、素朴な視点からは把握できないものです。色彩のバイブレーションは動かない画面を通じて観客の神経を震わせます。辻氏の作品に潜む「ちから」を、検討したいと思います。

永瀬恭一





パネリスト

辻可愛、永瀬恭一
日時:2020年9月18日(金) 19:30〜21:00
場所:アートトレイスギャラリー 【Access】
定員:20名
参加費:700円

参加をご希望の方は info@arttrace.orgまで、お名前と「9月18日イベント申し込み」の旨をご連絡ください。
お問い合わせ、ご質問につきましても info@arttrace.org にて承ります。
※定員を超過した場合は締切とさせていただく事もございます。
※当日開始時間にご来場いただけなかった場合、ご予約をされていても立見となる可能性がございます。申し訳ございませんが何卒ご了承ください。
※お申し込みいただいた方には、今後ART TRACEより展示、イベント等の情報を配信いたします。 (今回の参加のみご希望の方は、お申し込み時「情報配信不要」の旨をメールにご記載願います)


※新型コロナウィルス感染予防のため、定員を減らし、席の間隔を空ける等対策をして開催いたします。
※今後の状況次第では中止となる可能性があります。
ご来場の際にはこちらのサイトやART TRACEのSNSにて、直近の情報のご確認をお願いいたします。
※ご参加いただく方は、感染予防にご協力をお願いいたします。
・ギャラリー内では他の来場者やスタッフとの距離を開けてください。
・発熱、風邪等の症状がある方はご来場をお控えください。
・ご来場の際はマスクの着用をお願いいたします。
その他、会場に注意事項の掲示がある場合には、そちらに従っていただきますようお願いいたします。
ご理解のほど何卒よろしくお願いいたします。



パネリストプロフィール

辻可愛(つじ かあい)



https://iauquaqua.tumblr.com/

2006年 東京工芸大学芸術学部デザイン学科卒業
2009〜2012年 四谷アート・ステュディウム

主な個展
2019『節むす穴むす』(スタジオ35分、東京)
2018『ちるちり』(TABULAE、東京)
2014『ぶつけた小指』(スタジオ35分、東京)
  『どろどろの触手』(WISH LESS gallery、東京)
2013『階段下の声/あの床の冷たさ』(waitingroom、東京)


主なグループ展
2018『Reflection』(Art × Jazz M's、東京)
2016『Fools rush in where angels fear to tread. (しらないくせして)』(TABULAE、東京)
2012『branch cut──分岐と裁断』(GALLERY OBJECTIVE CORRELATIVE、東京)
  『Night Songs』(waitingroom、東京)
  『ASO講』(ASOKO、東京)
2011『in the waitingroom』(waitingroom、東京)
  『窓と物語 windows and the stories』(waitingroom、東京)

永瀬 恭一(ながせ きょういち)

1969年生まれ。画家。東京造形大学卒。2008年から「組立」開始。 主な個展「少し暗い、木々の下」(2019年、殻々工房)、主なグループ展「エピクロスの空地」(2017年、東京都美術館セレクショングループ展)他。主な共著『成田克彦―「もの派」の残り火と絵画への希求』(2017年、東京造形大学現代造形創造センター)、『20世紀末・日本の美術―それぞれの作家の視点から』(2015年、ARTDIVER)等。