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一人組立×ART TRACE 共同企画
連続対談シリーズ「私的占領、絵画の論理」
第四回「環境と意識と絵画」 ─ 戸塚伸也 ─

小学校からの教育が子供の旧来的産業へのはめこみ=就職手法として、いまだに工場的画一化に留まっている反動は、不登校や支援学級の増加などで表面化しています。柄谷行人はこれらを一種のボイコット・ストライキとして積極的に見ましたが、同じ構造は美術にも見えるのではないでしょうか。作品生産が新自由主義的「アート産業」登録へ目的化され、その訓練課程として美術学校や美術館が組み込まれている状況から脱出を図る運動は、それ自体がジャーナリズムを彩る「就職手法」となる危険を孕みながらも散見されます。
世界と自己認識の距離を計測し、その観測結果から世界と自己を同時に/代謝的に組成しなおすこと、言い換えれば世界と自己を教育・育児し直すことは、往々にして現状のシステムからはみ出した場所でこそ可能です。児童問題におけるフリースクールや保健室に次世代の契機が芽生えるように、新しき「自由画教育運動」の兆候を今一度発想しなおすことを「私的占領、絵画の論理」では意識しています。

四回目のゲストとして戸塚伸也氏をお迎えします。環境と意識のズレから遡行的に「私」は形成され、かつ、そのズレは様々な幻想・制度・習慣によって埋められます。しかし、戸塚氏の絵画ではズレ自体が主題化し、症候的イメージを形成するように見えます。絶えざる外界との調停としての「描き」がどのような空間を形成するか、検討する場を持ちたいと思います。

永瀬恭一





パネリスト

戸塚伸也、永瀬恭一
日時:2020年10月31日(土) 19:30〜21:00
場所:アートトレイスギャラリー 【Access】
定員:20名
参加費:700円

参加をご希望の方は info@arttrace.orgまで、お名前と「10月31日イベント申し込み」の旨をご連絡ください。
お問い合わせ、ご質問につきましても info@arttrace.org にて承ります。
※定員を超過した場合は締切とさせていただく事もございます。
※当日開始時間にご来場いただけなかった場合、ご予約をされていても立見となる可能性がございます。申し訳ございませんが何卒ご了承ください。
※お申し込みいただいた方には、今後ART TRACEより展示、イベント等の情報を配信いたします。 (今回の参加のみご希望の方は、お申し込み時「情報配信不要」の旨をメールにご記載願います)


※新型コロナウィルス感染予防のため、定員を減らし、席の間隔を空ける等対策をして開催いたします。
※今後の状況次第では中止となる可能性があります。
ご来場の際にはこちらのサイトやART TRACEのSNSにて、直近の情報のご確認をお願いいたします。
※ご参加いただく方は、感染予防にご協力をお願いいたします。
・ギャラリー内では他の来場者やスタッフとの距離を開けてください。
・発熱、風邪等の症状がある方はご来場をお控えください。
・ご来場の際はマスクの着用をお願いいたします。
その他、会場に注意事項の掲示がある場合には、そちらに従っていただきますようお願いいたします。
ご理解のほど何卒よろしくお願いいたします。



パネリストプロフィール

戸塚伸也(とつか しんや)



1983年神奈川県生まれ。2005年武蔵野美術大学卒業。ドローイングを起点として制作した、油彩、ミクストメディアを中心とした平面作品を発表している。
主な展示は、Art trace galleryで2017,2014,2011に個展を開催。その他に、SAKuRA GALLERY『雲のような線』三人展 / 清澄白河 2019、HARMAS GALLERY『ぼくらの』二人展 / 清澄白河 2014 など。

永瀬 恭一(ながせ きょういち)

1969年生まれ。画家。東京造形大学卒。2008年から「組立」開始。 主な個展「少し暗い、木々の下」(2019年、殻々工房)、主なグループ展「エピクロスの空地」(2017年、東京都美術館セレクショングループ展)他。主な共著『成田克彦―「もの派」の残り火と絵画への希求』(2017年、東京造形大学現代造形創造センター)、『20世紀末・日本の美術―それぞれの作家の視点から』(2015年、ARTDIVER)等。