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Fields
1、 Ping-pong table
先日のイースターホリデーにロンドンに住む友人がアムスに遊びに来てくれました。その時友人がYou tube(注1)で検索して見せてくれた画像、それが「第68回欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞」優勝者の作品「マトリックスピンポン」(注2)です。
http://youtube.com/watch?v=r3JgZnbdMPM&search=matrix%20pinpon
(画像。ぜひ見てみて。)
CG表現(テクノロジー的解決)ではなく「映画ピンポン」のマトリックス構造(三次元的な軸を持つ構造)を、一旦画面上の視覚的要素だけに置き換えることで、テクノロジー的解決でないマトリックス構造の再現、を行っています。このなんと言うか新鮮な打開策は、自然で見事、かつユーモラスです。
何が自然で新鮮かというと、この視覚的発想のフィールドがTV画面のサイズを感じさせる、つまりこの置き換えの着想の場としてTV画面を連想させる。発想と表現の手段が「TVを見る側の言葉」っていうんでしょうか、そこが新鮮で面白い、と思いました。
このマトリックスピンポン、はじめは人物、ボールの動きばかり目で追ってしまいますが、何度か見ていると、このマトリックス構造の表現の達成は、このピンポンテーブルに担うところが大きいと気付きます。このピンポンテーブルの向きを変えることで、場面、視点が立体的に変化していることが視覚的に説明されダイナミズムが作られています。
このピンポンテーブルの役割は、作品「マトリックスピンポン」を見る観客側が共有する視覚的な場、見る側のための視覚的フィールド(視覚としての支持体、というのかもしれません)、と言っていいように思います。
2、超フィクション/The Happy end of Ffanz Kafka’s America
その1ヶ月後、私はロンドンに遊びにいきTATE ModernでMartin Kippenbergerの大きな回顧展を見ました。キッペンベルガーの作品は、その文学的着想と同時に、必ず身体で感じられるマテリアルの豊かさ、マテリアル・ラングエッジ(私はこう呼ぶ)があります。それを十分楽しめる良い展覧会でした。
その中でも第7展示室であったインスタレーション、「The Happy end of Ffanz Kafka’s America」は部屋いっぱいに広がる緑色の(たぶんフットサル)フィールド、その上には、(キッペンベルガーによって提示された)それぞれのタイプの机1脚と椅子2脚のセットが敷き詰められ、それをフィールドの両脇にある観客席から眺めるインスタレーションです。
机とペアの椅子、という「場」のモデルは、キッペンベルガーの仕事の中のひとつの単位のような風景、構造です(1つのフィールド(机上)とそれに対峙する2つの用意された場(ペアの椅子))。この構造は、内容としての対話というよりは、対話という場のモデルのように見えます。 こんな感じで。 そしてその異なるディテールを持った「単位、モデル」が、フィクションとして枠取られたおおきな「フィールド」に置かれ、二重構造としての1つの風景を作り出しています。 両脇の観客席は、観客がその二重構造を持ったフィールドを、一つ一つの「身体的に共有される場、のモデル」のディテールを見ながらも、大きな一つの場として眺めることができる。 その二重というよりは二乗の構造の様子が、モデルであったフィクション、カフカの「アメリカ」、ハッピーエンドでは無いんでしょうが(読んだこと無いから分からない)、をハッピーエンドにするためにキッペンベルガーが二乗構造に仕立て上げた、というような、「ある達成」を感じさせてくれます。 「超フィクション」としてのモデル、っていうんでしょうか。いいなあ〜と思いました。 (注1)映像版Limewireのようなもので、画像データをネット上で共有するための検索エンジンらしいです。 (注2)その友人は、この仮装大賞のピンポン製作者が、後日オファーが来てペプシのCMの監修をした、と教えてくれました。 画像はこちら。 http://izuru136.cocolog-nifty.com/shiro/2004/08/cm_1.html 空間はマトリックスピンポンのほうがダイナミックに見えると思う。ペプシは人体が割れることでダイナミズム?華、を出してるよね。